MIDIってそもそも何?
DTMで当然の様に使用されているMIDIですが、そもそもなんでしょう?
という所に触れてみましょう。ソフト音源を鳴らす際の楽譜データでしょ?
そんな認識をされてる方がほとんどだと思いますが、実はちょっと違います。
楽譜情報
確かにピアノロールで見れば音階の指定をしている楽譜情報ですが、実はもう少し詳しい話をすると、結果として楽譜情報にも使えるので、楽譜情報に見える一面もあり、ふんわりMIDIというものがあるとイメージしていると、楽譜という認識になってしまうかもしれませんね。
そもそもMIDIとは
MIDIというのは、世界共通のデータの規格で、発祥は1981年に遡ります。みなさんが音楽を聴く際によく目にする、MP3やWAVというファイルの種類。これらは音声そのものをファイルにしているデータなのですが、MIDIの場合は、音声そのものを情報として持っておらず、音声(音源)を演奏するための情報を記録しているファイルになります。これだけを聴くと、じゃあ楽譜情報のファイルであってるんじゃないの? と思いますよね? 確かに、ある一面ではあっています。ですが、もう少し幅広い情報を持っています。
MIDI音源
DTM関連の記事でも何度か登場しているソフト音源も、MIDI情報を使用して演奏されています。
ソフト音源は、MIDI情報として各音階ごとの情報を持っており、例えば「ド」の音を指定すれば
「ド」の音階を再生。「ミ」の音なら「ミ」の音階を再生するという、関連付けた音階のデータを
呼び出して再生するという仕組みです。
なので、MIDIキーボードやコントローラでソフト音源を再生して、実際の楽器の様に演奏する事ができる仕組みになります。もちろん、DAWのMIDIトラックで打ち込んだ情報を元に、プレビュー再生してDAWに演奏させる事も可能です。
音源ファイルとは何が違うのか
毎回ソフト音源を呼び出して再生しなければならないのなら、MP3やWAVのような音声ファイルを再生した方がいいのでは? と思うかもしれません。
確かにそうですが、たとえば、ライブなどで生演奏する場合、実際のCDなどの音源と違って少しテンポが違ったりしますよね。それに、生演奏ですので、途中で音をうまく止める事なんて難しいですよね。
本番中に音声を止められなかったら大惨事です。DJの場合は音声ファイルを使用しますが、それは生演奏というよりは、うまく音声ファイル(楽曲)を繋げてる。というパフォーマンスなので楽器の生演奏とは少し勝手が違います。
音源の再生や楽曲の細かいアレンジに強い
MIDIの強みは、音源の演奏情報であり、情報伝達、記録ができる規格というのが一番の強みです。結論づけると、リアルタイムにソフト音源をコントロールできたり、ファイルとして記録しておけば、その通りにDAWなどに演奏させられる、使い方次第で様々なシーンやパフォーマンスで活躍する規格ということになります。
音声ファイルだと、テンポを早くしたり遅くしたりすると、音が変になったり、ノイズがのったり…。そんな経験はありませんか? 最近ですとYouTubeで再生速度が変更できる様になっていますので、試しに再生速度を変更して再生してみてください。ちょっとノイズというか、変な音になっていませんか? MIDIの場合はそれが発生しないんです。
そして、ソフト音源も、ある程度長い音や短い音を想定して作られているので、多少音の長さが変わったところで、MIDIファイルから演奏させれば、よほどの事がない限りノイズが乗ったり劣化したりすることはありません。
以上がMIDIの強みになるポイントです。いかがでしょうか? なにげなく使っているソフト音源を再生させているMIDIについてすこし触れてみました。実はこのMIDIという規格。いろんなところで使われていたりするので、興味を持った方は、身の回りなど、探してみるのをお勧めします。扱い方次第で、トリッキーなパフォーマンスを行ったりもできますので、新しいパフォーマンスを考案したり、自身のクリエイティブに活かしてみてはいかがでしょうか?