月風楼

映像用のイラストの描き方

楽曲のMVやVTuberさんの配信で使用されるイラストについて、注意した方がいいポイントについて、ご説明します。また、今回の話はイラストを描く、イラストレーター自身以外にも、イラストを依頼する方にも注目していただきたいポイントです。

解像度は高めに想定

映像やPC、スマホのスクリーンに表示される画像データは72dpiです。解像度についてはこちらの記事を参照してください。

スクリーン向けには72dpiが一般的ですが、後で別用途で使用するなど、何があっても対応出来る様に、印刷想定して、フルカラーの場合最低でも300〜350dpi以上で制作しましょう。

映像でイラストをどう使うかが予め決まっていても、大きく拡大して使うケースが高確率で発生します。そのため、映像の解像度原寸や、映像でレイアウトが確定したサイズで描いてしまうのは、拡大した際に解像度が荒くなってしまいます。あらかじめ大きめにイラストを作成しましょう。

イラストは縮小してもある程度は問題なく使用出来ますが、逆に拡大する場合はどうしてもボヤけたり、画質が荒くなってしまうので、予め大きめに制作する事を念頭においておきましょう。

見切れの無い様に余白をもつ

映像のサイズにレイアウトを決めたとして、バストアップの構図が出来た場合、胸から下は見切れてしまいますよね。だからといって、バストアップの構図だけでイラストを描き上げてしまわない様に注意しましょう。

例えば、映像作成時に、バストアップから、カメラを引いていき、イラストをズームアウトする映像を作るとします。

すると、だんだん胸から下も映り込みますので、イラストが完全に切れてしまいます。こうなると、イラストを修正しないといけなくなります。そういった修正が発生しない為にも、余白部分を想定してイラストを描く様にしましょう。

印刷物やWeb上での掲載でも同じことが言えます。デザインの中で使用すると、トリミングしてイラストを掲載する事が殆どですが、イラストが見切れていると、どうしてもデザインに制限がかかります。場合によっては修正も必要になってしまいます。

印刷する可能性があるかどうか

印刷前提になってしまうと、一気にサイズが大きくなってしまいますが、フルHD(1920px X 1080px)であれば、缶バッジなどの小さなグッズ用であれば、ギリギリ耐えられたりします。

ただ、耐えられるだけなので、おすすめはしません。グッズ前提、印刷前提の場合は大きめのイラストで制作しましょう。

使用目的は幅広く想定する

依頼の場合は、クライアントの希望を聞いて、仕様を決めますが、自分用、誰かとコラボ制作する場合は、予め使用用途を将来性を含めて決めておきましょう。

自身のポートフォリオとしても使用出来たり、様々な目的でイラストを再利用する事が可能になったりします。コラボや依頼された絵の場合は、クライアントやコラボ先と交渉し、再利用可能か予め相談する様にしましょう。

当然ですがOKの場合もありますし、勝手に掲載、二次利用するとトラブルになる場合もあります。

 

以上、イラストを映像作品向けに制作する場合の注意点でした。

イラストレーターだけでなく、クライアントは勿論、イラストレーターと連携して動画制作する人や、デザイナーも、事前に知っておくと、制作でのトラブルが回避できる事前知識となります。

想定している用途以上の使用が想定されているかも、予め想定して制作すると、1枚のイラストも、その1シーンだけのイラストでは無く、様々なところで公開できる様になるので、用途が決まったタイミングで、「他にも使う事があるか?」をもう一度考えてみましょう。

その他のメディア
プロモーション