音の速さ(テンポ)の話
さて、今回は音の速さ。というよりも、曲の速さの決め手になる要素。テンポについてお話します。
テンポとは
テンポとは、曲を演奏するスピードを設定する数値の事を指します。
テンポを変えるだけで、曲のスピードが全て変わるので、テンポの変更一つ変えるだけで、曲全体の印象も変わります。
前回の「音の長さ」の話でもあった、1つの音符の音を鳴らす長さも、テンポによって、長くも短くもなります。
アップテンポ。スローテンポ。色々な言い方がありますが、それも全てテンポの数値を表しています。曖昧な表現をしているだけで、具体的に定まったテンポの数値ではありませんが、曲の演奏を速くしたいのか、遅くしたいのか。イメージが伝わりますよね。
BPMの話
DTMの上ではテンポの事を、別の言い方をします。一般的に、BPM(ビーピーエム)と言うのですが、これもテンポと同じ事を表しています。
Beats Par Minute(ビーツ パー ミニット)の頭文字をとった略称で、1分間に刻まれる音(ビート)の数の事を表しています。
一言にBPMと言っても、具体的にどういう数値で設定すればいいか、イメージできないと思います。
DTMソフトで新規作成すると、初期設定の状態なら、BPM120になっています。
BPM120の速度がこれくらいです。
いまいちイメージが掴めないと思います。もっと身近な物に置き換えてみましょう。
BPM60がこれくらい。
そして、BPM60をさらに身近な音に置き換えてみると、こうなります。
時計の秒針。時を刻む秒針の音の感覚を表現してみました。
イメージできましたでしょうか?
そうです。時計の秒針はBPM60で動いています。
理論的に解説すると
1分は60秒です。時計の秒針は60秒を等間隔で刻みます。
そこで思い出してみて下さい。1分間に刻まれる音(ビート)の数というルールにこれを当てはめると、時計の秒針はBPM60という事になります。
BPM120という事は、時計の秒針が1分を刻む速度の2倍で進むと言う事です。
それだと、実際の時間の中では30秒のうちに、60回秒針が進む事になります。
この状態から、もう1周、2倍速で秒針が進むと、120回秒針が進んだ事になります。
時計の針だけを見ると、2分の時間が進んだ事になりますが、実際の時間では1分間に起きた出来事になります。
少し混乱しそうな話でしたが、BPMの数値をどうすれば、テンポが速くなったり、遅くなったりするか、気付きましたでしょうか?
数値を大きくすると、テンポは速くなり、数値を小さくすると、テンポは遅くなります。
具体的に数値で、テンポを把握出来る様になると、心強いのですが、自分がよく使うテンポだけ、数値でも覚えておくくらいの感覚で大丈夫です。
それを基準に、テンポを調整できる様になれるので、心配はいりません。
DAWソフトでは、BPMを自由に設定出来るので、感覚的に打ち込んで再生しながら、「これくらいかな?」と微調整する方法で大丈夫です。
これで、音の長さが具体的に決まる様になりました。音の長さが決まったので、簡単なリズムは作れる様になる事でしょう。
さあ、次回は3つ目の要素。「音の高さ(音階の話)」です。
この3つ目の要素で、ついにメロディを作る知識が揃います。
次回の更新をお楽しみに!